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米国に向かうグローバルマネー、当分続こう  2018年7月15日

先週のマーケットは、私も驚いたほど、米テクノロジー株が急騰した。
あっという間に、米ナスダック指数が史上最高値をさらに更新した。
米国だけでなく日欧の株価指数も、引っ張られるように上昇し始めている。

その理由として
(1)一つには、このところマーケットの大きな重しとなっていた米中の貿易摩擦が、ある程度織り込まれてきたことがあげられる。つまり、さらにエスカレートして、貿易の総額に関税が掛けられても、両国のGNP合計をわずか0.25%程度減少させるにとどまり、世界経済の成長に対する悪影響は限定的である。
(2)二つには、マーケットがそれ以上に、現在進行中の技術革新がもたらす第4次産業革命が世界経済の成長を格段と高める可能性が高いと評価している。
(3)さらに、マーケットの関心が順調な世界経済を具現化する第二四半期の企業決算に移りつつある。

などがあげられる。

世界の投資家は、株式に対する強気を改めて認識したのであろう。とりわけ、世界を見渡しても米国以外に有望な投資先はなかなか見当たらないと考えているようである。
分散投資をする上でも、有望テクノロジー企業の豊富さ、債券利回りの相対的高さ、不動産REITなど有望な投資先が多い。
ドル高に見られるように、世界の資金は明らかに米国へ向かっている。

マーケット取り巻くニュースに惑わされるな 2018年7月10日

いよいよ、米中の貿易戦争が火蓋を切った。
しかし、それを無視するかのように米テクノロジー株への買いが集まり、米ナスダック指数が再び史上最高値を取り戻しつつある。また世界的にREITも強い。

投資家は不思議に思っているのではなかろうか。
私が、前回、前々回のブログでお勧めしたしたように、投資家はこれらのセクターに逃避的に資金を傾けているようである。

今回の貿易戦争が最悪期にはまだ達してはいないだろうが、歴史的に大きな地政学リスクが勃発したら、その1ヶ月以内に株価が最安値をつけ、その後着実に回復するという結果が1900年から2014年の統計から明らかになっている。

また、今回の世界的株式上昇相場はリーマンショックの底値から3400日続いており、第二次大戦後平均の1821日をはるかに超え、1987年から2000年の最も長い上昇相場、4494日に次ぐ2番目に長くなっている。人間の身体と同じように株式市場も年をとると、ショックやウイルスへの抵抗力はなくなるとマスコミは警戒心を煽っている。

投資家は、地政学上のニュースやマスコミの根拠の薄い論評のあまりとらわれることなく、あくまでも企業決算やインフレなどのファンダメンタルの状況を注視し、冷静にマーケットを見て、むやみに売買はするべきではなかろう。

年後半も、米国に資金を置いておくのが比較的安心のようだ 2018年7月1日

今週末で、2018年も半分が終わった。マーケットはあらゆる資産が大荒れで、パフォーマンスを悪化させている。
静かだった昨年との違いは米ドル高である。
その原因は、米国のみ利上げを続け、金融緩和からの脱却を図っているからである。
これにより、グローバルマネーは米国に、引き寄せられ、米国以外の株式市場はいち早く下げに転じた。中国株は急落に見舞われ、上海総合指数は1月の高値から19%も下落、ドイツやフランス、日本など主な輸出国の主要株価も大きく下落。

世界株式の下げの連鎖は、今週になって、米国にも波及してきた。特に、米国株を支えてきたテクノロジー株の多いナスダック指数は利食い売りにさらされた。
(それでも、年初来9%近い上昇率を維持。ダウ指数は年初来2%下げているが、全体指数のS&P指数は年初来2%の上昇率を維持している。)
それというのも、米中貿易摩擦が犬の遠吠えから、いよいよ嚙みつき合いの段階に入ってきたとマーケットは見たからである。

中間選挙を控えたトランプ大統領の出方には予断を許さないので、当面は先週、推奨したようなアセット(現金性資産、米テクノロジー株、ヘルスケア株、グローバルREIT)中心に防御的なポートフォリオを維持するしかなさそうだ、

ついては、スイスの大手プライベートバンクの年後半への投資戦略も参考になると思うのであげておきたい。
(1)世界株式はポジティブからニュートラルへ、より警戒的に格下げだが、その中では米国株と新興国株はポジティブ
(2)グローバルな国債と社債は、金融正常化の継続で、引き続きネガティブ
(3)コモディティーはポジティブ。

しかし、有名な格言を忘れないようにしたい。
これからのマーケットを聞かれたら、”わからない”が正しい答えである。

世界的な貿易摩擦は大暴落につながるのか 2018年6月23日

世界的な貿易摩擦の激化(とりわけ米中)が世界の株式の大きな重しになっているが、
もう一方で、好調な世界景気(とりわけ、米)、企業収益(とりわけテクノロジー企業)が世界株式を後押ししている。
その証拠に、テクノロジー株の多い米ナスダック指数が他の指数が不振の中で、今週も史上最高値水準を維持している。

貿易摩擦はまだ、実体経済に影響を及ぼしているわけではなく、株式市場に情緒的な影響を与えているに止まってはいるが、フーバー元米大統領の輸入制限をきっかけとした1920年代の世界的景気後退によって、1929年に始まる株式大暴落が引き起こされたことを彷彿させていることも事実である。

世界株式の上昇相場は米国に引っ張られ、もう9年以上続き、先進国の株価水準も史上高値を更新しているところが多くなってきているだけに、そろそろ大きな暴落があってもおかしくはないと思っている投資家は少なくない。

しかし、前にも書いたことがあるが、過去100年の大暴落(株価水準が50%以下になる)は4回程度で、それなりの理由があった。
1929年大暴落は世界恐慌
1971年はベトナム戦争と大増税
2000年はインターネットバブル
2008年は住宅バブル

今の世界の実態経済は、それほど大きな問題なない。(理由を挙げればきりがないのでやめるが)
しかも、投資家は極めて冷静で、現金比率を高めている。(大暴落は投資家が有頂天になっている時にしばしば起きる。)

今後、10~20%程度の調整は起きるだろうが、大暴落はそう頻繁には起こるものではない。しかし、仮に大暴落が起きれば、絶好の資産形成のチャンスであると考えるべきである。

当面の貿易摩擦嵐が去るまでは、テクノロジー株、ヘルスケア株、REITなどを薦めておきたい。

まだまだ続く米国優位  2018年6月17日

今週も、賑やかなヘッドラインニュースに邪魔されつつも、米テクノロジー株主導(米ナスダック指数の史上最高値更新続く)の上昇マーケットとなった。

米朝首脳会談ショー、主要国中央銀行の金融政策決定会合、貿易戦争などに関心を寄せながらも、投資家は米テクノロジー株買いを続けた。

現在、市場の注目は堅調な企業収益とグローバル経済のファ ンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)に向かっているが、それは基本的にはインフレが抑えられ、主要国の金融政策が緩和的であることが背景にある。

しかし、今年末に欧州が金融緩和を打ち止め、日本もこれに続けば、今のグローバルマネーの流れ、すなわち米国への資金の流れに変化が生じ、米国株の独歩高が終わることも考えておく必要があろう。
しかし、それはまだ大分先の話であろう。

当面、私がグローバル投資資産の期待利回りを高い順に並べると次のようになると考えている。
1. 米国株
2. 米国債券
3. 新興国債券
4. 米国REIT
5. 新興国株
6. 欧州株(ドイツ)
7. ゴールド
8. 日本株
9.. 欧州REIT
10. 日本REIT

幅広い分散ポートフォリオで今のテクノロジー株ブームに乗る時期 2018年6月9日

今年も、ほぼ半分過ぎた。
昨年は安定した上昇マーケットの中で、高い株式リターンが享受できたが、今年は、年初から、いろいろなリスクが取り上げられ、一転、ボラティリティーが高まり、運用利回りはなかなかあげられない。

こういう時は、短期的な、マーケットを取り巻くネガティブなニュースにとらわれがちになり、振り回されてしまう。
足元のマーケットコメントは総じて、そういう感じである。
貿易問題、イタリア問題、中東不安、金利上昇懸念等々枚挙にいとまがない。

投資家はリスクを避け、運用利回りを求めて、消去法的に米国に流入し、テクノロジー株に群がってきた感じである。
しかし、このような流れがいつまでも続くとは考えられない。

我々、個人投資家は中長期的な視野に立って、十分な分散ポートフォリオを構築して、現在のテクノロジー株主導の株式優位の流れに乗る必要があろう。

売りの理由を探し回る世界株式だが、他に選択肢なし 2018年6月3日

世界株式は北朝鮮問題、貿易問題、そしていつか聞いたことのあるイタリア問題と売りの理由を探し、下がるが、やがてよりファンダメンタルな技術革新、インフレなき経済に関心が戻り、反騰するという展開が続いている。
日本株は、加えて円高/円安に振り回され、とりわけボラティリティーが大きい。
ついつい弱気に陥るマーケットである。

しかし、今の、換金性のある資産運用市場の各投資手段のリスク/リターンをよく分析すると、
まず、株式資産に代わりうる確定利付の債券、REITは利回りが低すぎ、金利上昇時のリスクの大きさに見合わない。
また、金やコモディティーは確定収入はなく、ポートフォリオの保険機能以上の意味を持ち得ない。
それに比べて、株式資産は足元の資産運用手段としては、リスクは大きいものの、第4次産業革命下、中長期的には夢のある高い利回りが期待できる。
とりわけ、第4次産業革命をリードする米国のテクノロジー株の期待利回りは高い。
(ちなみに、テクノロジー株の多いナスダック指数は今週末に全世界の株式指数の中で、唯一史上最高値を取り戻している。)

したがって、シンプルなポートフォリオを考えるとすれば、
●米テクノロジー株ETF(先週取り上げたVGT, IGV) : 50%
●金:25%
●現金 : 25%
ということになってしまう。

投資家のより多くの関心は堅調なグローバル経済にある 2018年5月27日

世界の株式は、第二四半期の決算発表シーズンがほぼ終わり、
関心は米中貿易問題や、地政学関連のニュースに移りつつあるが、実際のところ、これらのニュースにはほとんど反応せず、高値圏を維持している。
トランプ大統領が突然、米朝会談の中止を発表しても、マーケットはほとんど反応しなかった。

米金利の上昇には敏感ではあるが、インフレの状況から判断して、景気を押し下げる水準とは見ていないようである。

多くの投資家の心理の根底には、米金利の上昇よりも堅調なグローバル経済、とりわけ技術革新がもたらす第4次産業革命の存在が重要な位置を占めているように思う。

その意味で、私は次の2つのETFの値動きに注目している。
一つは
Vanguard Information Technology ETF (VGT)である。
FANNGと言われる米国の巨大テクノロジー株だけで保有の40%を占める。
もう一つは
iShares North American Tech-Software ETF (IGV)である。
より幅広い米国のテクノロジー株を保有している。

両方とも、全体の指数とは違ってほぼ最高値圏で推移していることに投資家動向が表れているように思う。

メディアに惑わされず、超低利回り環境下での株式優位を見極めて  2018年5月20日

世界の株式は、先週にも書いた揺らぐ投資家心理の中で、調整理由を探しているような動きだった。
米国国債利回りが再び、節目の3%を超えてきたこと。
一部の新興国からホットマネーが流出し始めていること。
さらには、米中貿易問題、中東/北朝鮮の地政学上のリスクなど。
その都度、下げの理由として取り上げられている。

しかし、それらは今のところ、本流になるほどの懸念材料になるとは考えられない。
ー米金利の上昇は、インフレが高まらない以上、急上昇はない。
ー資金流出の新興国はまだほんの一部で、大部分の国のファンダメンタルは堅調で、過去とは違う。
ー米中貿易、地政学リスクは政治交渉術の範囲である。

その証拠に、週末には、欧州株は最高値を突破したし、日本もしっかり、米国も小型株への買いが盛り上がりを見る限り、メディアのニュースは気にしつつも、株式投資以外に資産運用の選択肢は見つからないということを感じざるをえない。

資産運用を考える者にとって、すべての資産クラスを比較しても、株式をメインとしてリターンを確保せざるをえないことは世界共通ではないか。

テクノロジー株中心の株式優位はまだ続く 2018年5月12日

世界の株式は、昨年末の水準をなかなか抜けきれず、変動の激しい状態が続いてきたが、
5月に入り、アップルの予想外の好決算を皮切りに、テクノロジー株がリードする株式市場全体の上昇トレンドが戻ってきたようだ。

しかし、直近の米個人投資家心理調査によると、ニュートラル(中立)が続いており、今後6ヶ月先まで、マーケットにそう大きな変化を予想していないということである。
つまり、投資家心理は強弱の間で揺れており、より強い材料とより弱い材料を探っていると言える。
今のところ、低インフレ、好調なテクノロジー株、好企業決算を好感する一方、世界的な金融緩和からの出口に伴い、約10年続いてきた景気の拡大は最終段階ではないかとの懸念が強まっている。
特に、米国の長短金利がさらにフラット化(横ばい)し、2年もの米国国債利回りが9年前の水準、2.535%にまで上昇したことを懸念している。
つまり、2年間、保有し続ければ、株式の下落リスクを気にせず、確実に2.5%超のリターンを確保できるということである。

個人的には、株式から債券への大きなシフトが起こる段階ではなく、中長期投資の観点からは株式優位はまだまだ続くとみている。