グローバルマーケットウォッチ 2019年4月6日
米国に集まりやすいグローバルマネー 2019年4月6日
今週も、世界のリスク資産は堅調に推移した。
とりわけ、米国株、米国REITは連日、着実に上昇しているという印象である。
投資適格のグローバル資産全体を比較しても、債券も利回りは、欧州、日本とは比べ物にならないくらい高いし、REITのパフォーマンスも引けをとらない。
なによりも米ドルの基軸通貨としての地位が、ユーロの地盤沈下で、相対的安定性がますます強固になってきたことがグローバル投資家の注目している。
世界経済成長の牽引役、テクノロジーでも世界をリードしているという流れが見て取れる。
アマゾン(時価:1837ドル)が来年には3000ドル、再来年には5000ドルというアナリストの分析が話題になっている。
また、バンク・オブ・アメリカ調べ(2019/4/4現在)ではあるが、
米国の優良株式銘柄1社か2社合計で欧州各国の上場株式時価総額に並ぶというほどに、米国株式市場に世界の金が集中しているという事実である。
ドイツ:11880億ドル=アップル+ディズニー:11300億ドル
フランス:15510億ドル=アマゾン+グーグル:17380億ドル
スペイン:4120億ドル=フェイスブック:5030億ドル
イタリア:3230億ドル=JPモルガン:343億ドル
ポルトガル:220億ドル=ハーシー:240億ドル
など
(別の筋からの統計でも、運用難からかスイス国立銀行では米国株運用に875億ドル<約9兆円、2018年央現在>も積み増している)
欧州、日本、中国などと比較すると経済的、政治的に不安の少ない米国に消去法的にグローバルマネーが集まりやすい縮図が見て取れる。
来週に入ると、2019年第一四半期の企業決算発表が相次ぐので、投資家の関心がそちらに移っていこうが、トレンドしては米ドル、米テクノロジー株式、グローバルREITの流れは続くと見ている。
しかし、ボラティリティーが高まりやすく、売られやすい相場環境であることには変わりはないことだけは、念頭においておく必要がある。
先週はマーケットクラッシュに備えて:復習を確認したので、続きとして
【マーケットクラッシュに備えて:TIPS 6 】
定期的に確実な現金収入を生む資産をポートフォリオの中核に置く。
現金保有だけでなく、毎月とか3ヶ月ごとに定額な現金収入が入ってくれば、イライラすることなく、マーケットの戻りを待てた経験からのアドバイスである。
配当政策のしっかりした優良企業の株式(6カ月ごとの配当)、高利回り債券ファンド(毎月ないしは3カ月ごとの分配金)、REIT(3カ月毎の分配金)はマーケットクラッシュの際には価格下落はあるものの、配当や分配金はそう大きくは影響されずに支払われるものである。