グローバルマーケットウォッチ 2019年7月13日
投資家の眼は米の利下げ期待から企業収益へ 2019年7月13日
米株式市場は利下げ期待だけで、またもや史上最高値を更新し続けている。
しかし、高値警戒で勢いはあまりないのも事実である。
利下げは、金融面ではいいが、実体経済がそれだけ良くないということなので、マーケットは来週から本格化する直近の企業決算を確認したい。
株式市場にとって企業収益動向はいつでも重要だが、今回は特に、重要視されている。
景気のスローダウンやとりわけ米中貿易紛争がどれだけ企業の収益に影響しているか見極めたいところだ。
ハイテク分野への影響が懸念されているので、減収減益幅が予想外に大きければ、株価の急落は避けられない。
それを警戒してか、米中の主要テクノロジー企業の株価の動きは鈍い。 とはいえ、歴史的事実として、企業収益が前年同期比マイナスでも、マイナス幅小さければ、利下げ期待が高まり、株価は安くならなっていないということも頭に入れておくべきである。
いままさに、2~3年先をみた資産運用を
各種資産クラスの期待利回りと価格下落リスクを比較して考えると、いま、債券の価格リスクを取って、期待利回り(確定収入利回り)を上げるにはリスクがあまりにも大きすぎる気がする。
(欧州では、BB格のジャンク債までもマイナス金利になるという異常とも言える状況)
その点、REITは価格リスクの割には、より高い確定収入利回りが期待できるので、債券よりはいい。問題は市場規模が株式、債券に比べて格段に小さいということである。
株式は、上記両者に比べて、価格下落リスクは高いものの、長期的には夢のある期待利回りがある。
資産クラスとして、世界の投資家に人気がある所以であると思っている。
それだけでなく、主要国が経済成長、国民の富の蓄積を株式価値の増加で進めようとしているように思われる。
当面、マーケットがクラッシュすることがあれば、今度は株式だけでなく、債券も売られるだろう。そういう意味では伝統的な株式と債券の分散投資効果は期待できないと見ておくべきであろう。
なら、超低利回りの債券を持つよりも、現金あるいは現金性資産を多く持つ方がリスクリターンの理にかなっていると思う。
(急落した資産を購入するチャンスも捉えられる)
株式にはまだ多少の伸びしろがあると思うが、2ー3年先を見た資産運用が必要な時期に差しかかっていると見なければならない。