グローバルマーケットウォッチ 2019年12月15日
さすがに上値が重い米国株 2019年12月15日
年末になって、今年一年、グローバルマーケットの暗雲になっていた米中問題、ブレグジット、主要国の金融政策などの不透明感が一気に解消の方向に向かい始めた。
当然、投資家心理は改善したが、米国株に対しては、すでに史上最高値にあることから、急いで買い増す勢いにはなっていない。
世界の株価パフォーマンスを振り返ってみると、リーマンショック後の2010年以降、10年間で、米国株(S&P指数)は180%(3倍近い)上昇しているのに対して、米国株以外の株価全体では18%、新興国株価はたったの4%しか上昇していない。
もちろん、米国は世界のテクノロジー革新をリード、米ドルへの信頼、政治力を考慮すれば、頷ける結果だが、さすがに米国の株価が、ここまで他国と差がつくと、減速せざるを得ないのかなと思いたくなる。
足元での世界の有力各社(JP Morgan, Deutsche Bank,Russel Investment)の2020年の見通しでも、ほぼ一致して、株式優位に変化はないが、米国株から日本株、欧州株、新興国株へのシフトを勧めている。
しかし、長期的観点で、米国の人的革新力(若者の旺盛な企業家精神)を評価すると、第4次産業革命が実を結ぶ今後10-20年も米国が最良の投資場所となろう。
若干のアロケーションの日本株、欧州株、新興国株へのシフトはいいが、やはり主要なウェイトは米国株(とりわけテクノロジー関連株、ヘルスケア関連株)に置くべきであろう。