グローバルマーケットウォッチ 2018年12月16日
マーケットは「押し目買い」から「戻り売り」へ 2018年12月16日
今週は、中国の経済指標の悪化、フランスの大規模ストライキによる停滞、ドイツの景気指標の悪化など、世界的な景気後退が現実味を帯びてきたのではないかという懸念が広がり、マーケットの売りかたが一段と勢いづいた。
一方、米国の経済指標は引き続き好調を維持していることが安心材料となったが、今のところ、無視された格好である。
今や、投資家心理は、一時の「押し目買い」から「戻り売り」の姿勢へと変化したと言っていいだろう。
長期的視点で投資を考えられるのが個人投資家の利点
しかし、個人投資家の利点は、長期的視点で投資を考えられるということである。個人投資家はしばらくは、変動の激しいマーケットは続くのを静観する方が得策である。
先週の本稿で
「 現在の超低金利の投資環境においては、個人投資家にとって株式の長期投資に勝るものはないという方針を貫くべきであろう。
マーケット環境がどう動こうが、長期資金は株式、1年未満の短期資金は現金あるいは短期債券、そしてボラティリティー対策として米国国債(10年もの)と金でこの荒れた市場環境を乗り切ることをおすすめしたい。 」
この点を念をおしておきたい。
では、なぜ株式投資が資産形成の長期的手段として適しているのか
(1)20世紀以降、株式の分散投資はある程度長期で続ければ、どの代替資産よりも資産形成に有効な手段となっているという歴史的事実がある。
(2)株式の価値は企業の利益からもたらされる。資本主義経済では企業利益の成長が全ての資産形成の源泉である。投資家は株式市場を通じて、この長期の利益成長の恩恵をうけられる。
(3)そして何よりも、株式投資は一般の投資家にとって最も安価で、便利な 資産形成手段である。
さらに、株式投資を長期的観点で考えないと十分な資産形成ができないという個人的なこれまでの成功、失敗の経験から次のような注意点があげておきたい。
参考してほしい。
(1)誰でも知りうるニュースに飛びついて株式投資をしない。
(2)今後10年は投資を続けられる株式は何かを考える。
(3)次の景気後退で株価が大きく下落した時に何を買うかを考える。
(4)長期保有によって、短期的な激しい価格変動を克服して、富を生み出すことを実感する。
(5)将来は不確実ということをよく認識して、忍耐強く株式投資する。